CD‐ROM付 目標を突破する 実践プロジェクトマネジメント
CD‐ROM付 目標を突破する 実践プロジェクトマネジメント
- 作者: 岸良裕司
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2005/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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もっと早くに読んでおけば良かった・・・。
「プロジェクトは人が推進するのだから、人を中心に考えるべき」という事を中心に語られている。そうした考えをもって、なぜプロジェクトが遅れるのかを以下のように示している。
- サバを読んだ納期
- 予算と時間をあるだけ使う
- 一夜漬け
- 遅れは伝播する
- 早く終わっても連絡しない
- 作業の掛け持ち
項目だけではピンとこずに「そんなことは無い」と切り替えしてしまいそうだが、詳細を読むと納得させられる。例えば「サバを読んだ納期」。非常にタイトなスケジュールで余ってる時間が無いプロジェクトも多々ある。そんなプロジェクトのタスクに要する時間の見積もりでも、割り込みなどの万が一を想定したりすることで、若干の幅を付け加えるのが常で、本当にできるかできないかの 50% - 50% には設定しないものだ。また、「早く終わっても連絡しない」とは、タスクが予定よりも早く終了した場合に、それで終わろうとせずに完成度を高めようとしてすぐに終了しないことを言っている。
これらのことを前提に、ある意味で逆手にとってプロジェクトを推進する方法を「親方バッファ」や「サバ取り」など絶妙なネーミングで紹介されている。
プロジェクトの最初に規定する ODSC というものも紹介されている。私の覚書のために ODSC の項目だけを挙げておく。
- Objectives (目的)
- Deliverables (成果物)
- Success Criteria (成功基準)
そうそう、進捗度合いを「率」ではなく「あと何日」で判定するということも書かれていた。私は個人的に「率」での提示が非常に嫌いなので、これには全面的に賛成だ。
全体的に平易な文章で書かれているので、非常に読みやすく分かりやすい。所々にある可愛らしいイラストの挿絵も良い感じに内容の分かりやすさを促進してくれている。